意味がわかると怖い話 幸せな家庭

意味がわかると怖い話 幸せな家庭

ありふれた情景だ。

こういうのが幸せというのかもしれない。

俺と母さんと弟の3人で夕食。

会話はほとんどないけど、家族でちゃぶ台を囲んで飯を食うのも、きっと平和な証拠なんだろうなって思う。

物心ついた頃には、父はいなかった。

なんで父がいないのかを、母さんに聞いたことはない。そもそも父親を必要だと思ったこともなかった。

父親がいない家庭で俺たちを育ててくれたせいか、母さんは過労気味で最近は病気がちだった。

寝込んだりすることもあるので心配だ。物忘れも激しいのも気になる。

それでも、一生懸命に俺や弟の面倒を見てくれている。

そんな母を、早く楽にしてあげたい。

弟は来年、医大を受験するそうだ。

医大を卒業して医者になったら、俺が患っている病気を治してくれると言ってくれた。

「俺の事はいいからさ。自分が本当にやりたいと思ったことをやれよ」と言ったが、弟は聞く耳をもたない。

つうか聞いてないw

俺の自慢の弟なんだがな。
 
最近、気づいたんだけど、ご飯のときは俺だけおかずが用意されてないんだよ。母さん、大丈夫かな。

解説
おそらく、「俺」はもう生きていないと思われる。
「俺」を亡くしてしまいよほどショックだったのだろう。
母さんはよく寝込んでいるのもそのせいだと思われる。
弟に話しかけても返事がないのは、「俺」の声は届いてないのだろう。
「俺」の分だけおかずを用意しない母さんは、物忘れが激しいのではなくて、仏壇に白米だけ供えてるからだと思われる。
兄を亡くしたことで弟もショックだったのだろう。
医大に行くと決意したのもそのせいだと思われる。