短い怪談 電球を求める子供の幽霊
とある町で、私は電化屋を経営しています。
まあ、平たく言ってどこにでもある小さな電化屋です。
これは、真昼間のある日のことでした。
私が店にいると、店に誰かが近づいてくるのがわかりました。
私は商品の整理をしていたためしゃがんでいました。
この位置からだと、店の中に入ってきた人の下半身しか見えません。
おそらく子供でしょう。
足も小さく、短パンを履いています。
「いらっしゃい。」
私は、そう声をかけ、視線を上げます。
・・・・・・その子供には、上半身がありませんでした。
下半身だけなのです。
本来、上半身がある場所にはカゴみたいなものがあり、カゴの中には千円札が入っていました。
そして、下半身だけの子供のお客は、どこからか声を出しました。
「電 球 く だ さ い」
・・・・・・・・・・・・気がついたときには、店の商品の電球が1つ無くなっていて、千円札が置かれていました。
これが何だったのかよく分かりません。
文章にすると伝わりにくいかもですが、私が実体験した洒落にならないくらい怖い話です・・・・