意味がわかると怖い話 一生を過ごす
僕は産まれてから、ずっとここにいる。
もうどれくらいになるだろう。
思い出してみると、今日でちょうど7年だ。
そろそろ出てもいい頃かもしれない。
耳を澄ますと、他のみんなも動き出しているようだった。
よし、僕も外へ出よう。
僕は外へと、歩き始めた。
こつん・・・
あれ?
おかしいな。
こんなところに壁がある。
耳を澄ますと、壁越しに会話が聞こえてきた。
「ママ~、この道キレイになってるね。」
「そうね、アスファルトになったからね。土の道より歩きやすいね。」
解説は下へ。
解説
「僕」はセミなのではないだろうか。
土の中で7年過ごした後、外に出ようとしてみると、アスファルトが壁となって出られなくなってしまったのだ。
残り寿命7日。
どう考えてもアスファルトを抜け出すことはできないであろう。
とても不幸なセミである。