意味がわかると怖い話 無音
ある作家が、スランプに陥ってしまって苦しんでいた。
締め切り間際なのに書けないのだ。
イライラが募っていき、妻の話し声や、子供の歩く音、ちょっとした猫の鳴き声さえもが耳障りに感じ始めた。
その状態は日に日に悪化していき、気がおかしくなりそうになったその作家は、全財産を投げ打って完全無音の部屋を作った。
これで家族が出す生活音はもちろんのこと、その他ほとんどの音は排除できた。
もう、部屋の中にあるのは机と椅子だけだった。
静寂を手に入れたはずの作家だったが、まだ執筆できなかった。
「だめだ。まだうるさい!」
そして、その後。
作家は本当の無音を手に入れることができたのだ。
解説は下へ。
解説
何も音のない部屋で、作家が「うるさい」と感じたものは、おそらく次の2つではないだろうか?
・自分の呼吸音
・自分の心臓の音
作家は、このどちらの音も消したのだ。
つまり、自殺を図ったということになる・・・・