意味がわかると怖い話 ビル工事の事故
散歩をしていると、どこからか女性の悲鳴が聞こえてきた。
「キャー!」
驚いて声の聞こえた方向に行ってみると、道路に女性が座り込んでいた。
座り込む女性の前には大きな鉄板のようなものがある。
縦横2メートル、厚さ50センチほどの鉄板だ。
何が起きたのかと、女性に話しかけたが、言葉が出ないようだった。
すぐに作業服を着た人がその場に駆けつけて、事情を話してくれた。
どうやら、ビルの上で工事をしているときに、鉄板を落としてしまったのだとか。
幸い怪我人はなく、女性も驚いて腰が抜けてしまっただけだったらしい。
赤いタイルの上に、真っ黒の鉄板が落ちてきたというのは不気味であった。
散歩も終わり、夕暮れになるころに、その場所をまた通りかかった。
鉄板らしき物は、まだ残っている。
重いのですぐには片づけられないのだろう。
重量があり危険な物だからか、警備員のような人がいた。
先ほどの女性もそばにいたので、話しかけてみた。
「先ほどは、驚かれましたでしょう?」
「ええ。驚きました。悲鳴を聞いたときは、ビックリしました。」
解説は下へ。
解説
腰を抜かしていた女性は悲鳴をあげた女性ではないようだ。
となると、悲鳴をあげた女性はどこに?
おそらく、鉄板のような鉄の塊の下敷きになっているのではないだろうか?
赤いタイルは血の色だったりして。
ところで、人が潰れるくらい巨大な鉄板が落ちてきたのなら、悲鳴なんかあげている余裕があるのだろうか?
ビルの真下に人がいたら、一瞬であの世行きのはずなのだ。
悲鳴をあげる余裕はないと思われる。
仮に悲鳴をあげたとしても、鉄が落ちたときの衝撃音で、悲鳴はかき消されてしまうのではなかろうか?
いろいろと、謎の多い話でもある。