死後の手違い

そこは地獄。

比喩ではなく、本物の地獄である。

ある日のことだ。凄腕のエンジニアが地獄に落ちてきた。

彼は地獄でもいい仕事をした。

まず。壊れていた釜茹での釜を修理した。

次に、針山地獄の折れた針を直した。

それらは以前の壊れる前のものよりも、はるかに精巧になり、より強力な拷問道具となった。

彼の仕事ぶりを見ていた悪魔たちは喜んだ。

「いい人材が地獄へときたものだ」

そこへ、天国から天使が降りてきて言った。

「そのエンジニアを返しなさい。働き者で正直な彼は、本来天国へ来る予定だったのだ。どこかで手続きの不備があり、地獄へと来てしまった。さあ、彼を渡しなさい」

当然、悪魔たちは拒否する。

「断る。間違いだろうが関係ない。この男は、もう地獄の住人だ。天国へなんかやるものか」

「そうか。それならば仕方ない。裁判をしようではないか。正式な手続きを踏んで決めてもらおう」

天使の言い分を聞き、悪魔はニヤリと笑った。

「いいだろう。裁判なら確実に我々悪魔が勝つ。なにせ弁護士たちは一人残らずこちら側にいるからな」

解説は下へ。

解説

弁護士という職業は、皆悪事に手を染めていると悪魔が言っている。