夜。機内は満員である。
多くの乗客は静かに目を閉じて休んでいる。
男は窓の外を見ていた。
先ほどから気になることがある。
エンジンから煙が上がっているように見えるが、それは雨雲かもしれない。
確信が持てなかった。
だが、炎が噴き出したことで疑惑が確信に変わる。
「エンジンが燃えてるぞ!」
男は叫んだ。
男の声が響き、満員の機内に緊張が走った。あちこちから悲鳴が聞こえる。
しばらくすると、機内アナウンスがあり、乗客たちはその声に集中した。
「皆さま、落ち着いてください。これより機長と副操縦士、我々客室乗務員がパラシュートで地上に降り助けを呼んで参ります。しばしお待ちください」
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解説
乗客は見殺しにされてしまった。この状況で助かる術はない。